30億文字のDNAの暗号文であるヒトゲノムには、ヒトが生きるためのすべての遺伝情報が含まれています。2000年にヒトゲノムの解読が完了しました。しかしながら、これで暗号文の意味がすべて理解されたわけではありません。ヒトゲノムの9割以上の暗号文は、未だに何を意味しているかすら分かっていません。この大いなる謎の領域から生み出される「ゲノムの暗黒物質」とはなにか? 21世紀になって初めてわかってきた暗号文のもつ新たな意味について、わかりやすく紹介したいと思います。
11:00〜11:30 廣瀬 哲郎 教授
ゲノムの暗黒物質に迫る!
ヒトの設計図に横たわる謎の暗号文、生物学の
パラダイムシフトか、はたまたジャンクか?
13:00〜13:30 地主 将久 准教授
体のなかのジキルとハイド
〜がんと免疫の、あらたな関係〜
がんに対する免疫治療は最近とみに目覚ましい進歩をとげ、アメリカでは2011年に世界初の免疫療法が承認され、実際の医療現場で治療薬として使用されるに至っています。その一方、本来がんを攻撃するはずの「正義の味方」免疫細胞が、ある時にはがんの進行を助ける「裏切り者」としての役割をもつことも、最近の研究からわかってきました。本トークでは、好悪二面性あわせもつ複雑怪奇な「がんと免疫の関係」について、一般の皆様にも理解できるようわかりやすく説明するとともに、最近の新たな発見が、将来のがん治療にどのようにつながっていくのか、具体的な例を示しながらお話する予定です。
15:30〜16:00 三浦 恭子 講師
不思議な不思議なデバワールド
ウルトラ長生き!がんにならない!キモかわネズミ、
ハダカデバネズミの不思議に迫る!
サイエンストーク
5階セミナー室
「キモかわいい」と最近話題のハダカデバネズミ。出っ歯で毛がないネズミですが、実はすごい奴らなのです!!アリやハチのような社会性をもち、同じ体の大きさのハツカネズミより10倍も寿命が長く(平均28年!)、そして、全くがんにならない体をもっています。ハダカデバネズミの謎を解き明かせば、わたしたち人間も、がんにならずにウルトラ長生きになれるかもしれません!?当日は、そんな楽しいハダカデバネズミ研究をご紹介します。